<口蹄疫>母牛の上に子牛そっと 殺処分の現場 過酷な作業で心身の不調やけが人も(毎日新聞)

 口蹄疫(こうていえき)」のまん延で、家畜の殺処分や埋却作業が続く宮崎県。殺処分対象は26日までに15万頭を超えた。現場には獣医師ら専門家だけでなく、牛や豚を扱ったことがない自治体職員も1日200人以上動員される。動物を殺すという不慣れな作業に、連日けが人も出るなど、過酷な仕事を強いられている。

 「口蹄疫は農家だけの問題じゃない。一度は現場を見ないといけないと思って……」

 宮崎市総務法制課の男性職員(47)は22日朝、県庁前から川南町に向かうバスに乗り込んだ。県からの要請で同市は連日、各課に動員数を割り当てて十数人を現地に送り込んでいる。

 家畜を扱う仕事は初めて。役場で白い防護服に着替え、ゴーグルと手袋、長靴を着けて到着したのは、牛15頭を肥育する約200平方メートルの小さな牛舎だった。別のバスでやって来た獣医師や農協職員と合流、約35人で作業に取りかかった。

 獣医師が5〜6人がかりで1頭ずつ牛舎の外に連れ出し、薬剤を注射する。注射を打たれた牛はしばらくよろよろして、ドスンと大きな音とともに倒れる。その後、両足をロープで結んで重機で引き上げ、隣接する深さ5〜6メートルの穴に並べて埋めるのだ。職員らは牛舎からワラなどを運び出しながら殺処分を見守った。

 殺処分された中には子牛もいた。「ショベルカーの操縦者もかわいそうに思ったのか、母牛の上に重なるようにゆっくりと穴に降ろしていた」。少し離れた場所で、年老いた農家の主人がぼう然と作業を見つめていた。「誰も声をかけられませんでした」

 空になった牛舎を清掃し、辺りが真っ白になるまで石灰をまく。1袋約20キロを40袋以上中腰で抱え、10人がかりで散布した。「最後は腕が棒のようだった」と職員は振り返る。

 牛舎横にしゃがんで、県が用意した弁当をかきこんだ約30分の昼休みをはさんで約5時間。作業が終わると、汗でじっとりと肌に張り付いた防護服を脱ぎ、消毒して作業着に着替え、帰りのバスに乗り込んだ。疲労とショックで皆、無言だった。その夜は食事がほとんどのどを通らなかった。

 過酷な作業だが、動員を進んで志願する職員も少なくないという。「誰かがやらないといけない大切な作業だから」。職員は自分に言い聞かせるように、静かにつぶやいた。

 ◇公務災害の申請相次ぐ

 宮崎県人事課によると、殺処分作業に従事した県職員から、26日までに公務災害申請の問い合わせが十数件寄せられ、既に3件が申請された。公務災害に認定される見込み。宮崎市人事課にも公務災害申請が1件あった。

 県口蹄疫対策本部によると、大半は石灰によるやけど。「石灰が目に入った」「釘が足に刺さった」などもある。作業に不慣れな職員だけでなく「手元を見ようとゴーグルを外し、飛び散った注射液が目に入った」(獣医師)▽「牛に足を踏まれ骨折した」(畜産課職員)−−なども報告されている。

 一方、県内10保健所などに設置された相談窓口には、被災農家や防疫従事者から「眠れない」「動悸(どうき)がする」など心身の不調を訴える相談が26日までに9件寄せられた。

【関連ニュース】
【特集】写真や最新記事でみる口蹄疫 
【写真で見る】感染拡大が深刻化する口蹄疫
【関連記事】質問なるほドリ:口蹄疫ってどんな病気?
【関連記事】口蹄疫:対策特別措置法案が衆院通過 28日成立へ
【関連記事】なるほドリ:種牛はどうして大切なの? /鹿児島

携帯電話を人に例えると……10代・20代は「相棒」、30代以上は?(Business Media 誠)
乳酸菌飲料「ピルクル」に酵母混入、自主回収(読売新聞)
事業仕分け 電気メーター検査 民間参入促す(産経新聞)
サイバー選挙戦へ準備着々 ネット業界「解禁」見込みサービス充実(産経新聞)
日本、中国に協力要請へ…安保理新決議(読売新聞)

被害者感情と国民理解を重視=B型肝炎和解、慎重に検討−鳩山首相(時事通信)

 鳩山由紀夫首相は10日夜、政府として和解協議に応じる方向となったB型肝炎患者による国への損害賠償請求訴訟について、「被害者の気持ちも大事だ。(それ)とともに国民の理解をいただくことも大事だ」と述べ、救済範囲や賠償額は慎重に検討する姿勢を示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 ただ、首相は「細かいことを言う立場でない」と語るにとどめ、具体的調整は担当の仙谷由人国家戦略担当相に委ねるとした。 

【関連ニュース】
「七つの罪、現代社会で重要」=鳩山首相
5月末に「方向出したい」=鳩山首相、合意に触れず
鳩山首相、週明けにも閣僚と協議=普天間、政府案決定急ぐ
サウジ経済企画相と会談=鳩山首相
「指導力欠くことある」=普天間念頭、鳩山首相に苦言

タプロスの伸長も国内医療用眼科薬の売り上げは横ばい―参天製薬(医療介護CBニュース)
米が徳之島移転に難色=首相、地元と協議継続へ−普天間(時事通信)
廃棄すべき売れ残りの豚肉をカツ重にし販売/コープかながわ(カナロコ)
にっぽんの色 咲き誇る桜 駆け足で見ごろ…秋田(毎日新聞)
有料老人ホーム5施設、入居一時金を半額以下に―ニチイケアパレス(医療介護CBニュース)

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。